2010年01月18日

<小沢幹事長>検察と全面対決 続投で政権にリスク(毎日新聞)

 16日に開かれた政権獲得後初の民主党大会は、小沢一郎幹事長が東京地検特捜部に対して「宣戦布告」する場となった。小沢氏の資金管理団体の土地購入を巡り、元秘書の石川知裕衆院議員らの逮捕から一夜明け、鳩山由紀夫首相は小沢氏に対し「(検察と)どうぞ戦ってください」と伝え、幹事長続投を容認。政府・与党内での小沢氏の存在感を前に、小沢氏抜きの政権運営は首相の選択肢にはなかった。民主党VS検察の構図が強まっており、小沢氏の説明と違う事実が出てくれば、鳩山政権自体が大打撃を受けるリスクを背負うことになった。

 党大会は同日午後1時から、東京・日比谷公園の日比谷公会堂で開かれた。式次第にない小沢氏のあいさつが突然始まったのは、午後2時すぎ。小沢氏は「意図的かどうか分かりませんけども、党大会の日に合わせたかのように、逮捕が行われている。私は到底、容認することはできない」と検察批判を展開した。

 石川議員の逮捕に激震が走った15日、小沢氏は民主党の輿石東参院議員会長に電話し、「断固として検察と戦う。幹事長職務の代行をお願いしたい」との方針を伝えた。小沢氏は16日、首相公邸での首相との会談でも「幹事長職をやり抜く」との決意を表明。首相も「小沢幹事長を信じています」と応じ、幹事長続投があっさり決まった。

 党代表を務める首相自身も虚偽献金事件を抱え、「政治とカネ」で小沢氏を批判したり、更迭できる立場にない。小沢氏は党大会で「首相の気持ちを自らの支えとして、今後も与えられた職責を全力で果たす」と強調。代表と幹事長が「一蓮托生(いちれんたくしょう)」の関係になりつつある。

 党大会は反検察色が鮮明になり、来賓の鈴木宗男・新党大地代表は「検察が正義だとしたら、大間違いだ」と声を張り上げ、会場からは「(検察組織を)事業仕分けしろ」とのヤジまで飛び出した。党大会は「国民が政権交代の果実を実感できる年にするべくまい進する」とうたい、参院選勝利のほか、政治資金の透明化などを盛り込んだ10年度活動方針案などを拍手で採択して終わり、事件に関しての質疑はなかった。

 前原誠司国土交通相は16日、大阪府内であった民主党議員の後援会であいさつし、「しっかり説明をし、おかしなことは自浄能力を発揮して正していかないといけない。政権交代を選択した国民に顔向けできない」と述べ、小沢氏に説明責任を果たすよう求めたが、党内から幹事長続投に表立った異論は聞こえてこない。

 こうした中、首相の「(検察と)どうぞ戦って」発言は新たな火種となりそうだ。検察庁も属する行政府のトップである首相が、争いをけしかけたとも受け取れ、民主党内からも「あの言い方は変だ」(中堅議員)と懸念が漏れる。自民党の大島理森幹事長は16日、党本部で記者団に「検察のあり方に対し批判的意味を込めて話したのか、小沢さんの前だから言ったのか真意は分からないが、軽率だ」と批判した。

 小沢氏の「対決宣言」を知った法務・検察幹部は16日、「我々は感情的になってはいけない。法と証拠に基づいて粛々と捜査するだけ」と語った。別の幹部は「党大会前日や通常国会開会3日前を狙った」という指摘を否定した。

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